2020年5月31日 ビジュ神父様メッセージ

聖霊降臨


第一朗読   使徒言行録2:1-11
第二朗読   1コリント12:3b-7、13-13
福音朗読   ヨハネ20:19-23

 

その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」

 


分かち合い


 今日は聖霊降の主日です。イエス様が、昇天してしばらく経ってから弟子たちに現れ、約束していた弁護者、すなわち聖霊を送ったのです。

 

 およそこの3か月間(四旬節から復活節の終わりまで)は、すべての国の人々にとって、とてもつらい、また、不安な日々でした。日本では、緊急事態宣言解除となりましたが、未だに予断が許されないままです。コロナの第2波、第3波が来ると言われている中、今日の聖書の箇所は私たちに勇気と希望を与えます。

 第一朗読には使徒たちの語る言葉を聞いた地方から来ていた人々がおのおの自分の故郷の言葉で、その言葉を理解することができましたと書いてあります。当時のエルサレムは人々の行き来が多く、様々な地方からたくさんの人が集まるにぎやかな街でした。使徒たちの話を聞いていた人々は「この人たちは皆ガリラヤ人ではないか。どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろう」と驚きを見せたのです。使徒たちが聖霊の力をいただき、勇気づけられ、イエス様のなさったことを周囲に伝えようとして努力していたから、皆が自分の言葉で聴きとることが出来たのです。使徒たちはおのおのが体験したイエス様を語ったのです。聖霊の力によって何も恐れることはないということを彼らが証明したのです。その聖霊は今も働いておられます。教会に行けないで自粛している中でも、どうして神様は聞いてくれないのかとつぶやくときも、きっと、教会の中で司祭が捧げるミサを通して聖霊は各々に必要な恵みと耐え忍ぶ力を与えているのです。

 イエス様が使徒たちに約束して、与えた同じ聖霊は、私たちに神の技を見る恵みを下さるのです。神様を信じる恵みを下さるのです。初代教会から始まったこの聖霊の恵みは今も私たちに洗礼、堅信、赦しの秘跡を通して与えられるのです。それは自分の心の中に秘めておくものではありません。使徒たちのように周囲の人々、特に親戚や知り合いに、その信仰の恵み、体験を伝えていく時、聖霊の導きを大いに感じることになるのでしょう。物事がうまくいかなくて、誰かに対して反感を覚えた時に心に平和が訪れるためには今日の聖書の言葉「・・・誰の罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。」を実現する時です。まさに、聖霊の働きです。この聖霊はともにいるのです。
 第二朗読は神を認めることこそが聖霊の恵みであるとパウロがおっしゃいます。つまり、私たちのもっている信仰そのものが聖霊の賜物であるということです。洗礼を受けた時からこの聖霊の恵みを受けているのです。また、福音箇所にあるようにイエス様は使徒たちに聖霊の恵みを与え、罪を赦す権能を与えました。聖霊降臨の主日に一人ひとりが神様から罪が赦されるのだという大きな癒しが与えられます。「あなたがたに平和があるように」とおっしゃるイエス様が、赦しの秘跡を受けるたびに私たちに心の平和を与えるのです。聖霊の恵みによって、キリスト者として自分が受けた心の平和を周囲の人々にも与えることができますようにつとめていきましょう。

 

 今日は吉祥寺教会のお祝いの日でもあります*。吉祥寺教会は聖霊にささげられている教会です。日々聖霊の導きを感じながら信仰生活を送りましょう。
(吉祥寺教会は聖霊に捧げられている教会です。英文名称はHoly spirit Kichijochi Church)